2017年10月21日土曜日

ぼくらのミサキ

当ブログの日本サブカル部門「WaSaBi JP」プロジェクトが開始されました。
日本独自の二次元文化として
僕からは美少女ゲームについて紹介してみようかと思っていましたが、
実はここ数年、Steamを中心に大事件が起きています。

そう、北米発の美少女ゲームが、ちょっと元気なんです。

Doki Doki Literature Club!


Sakura Spirit


これらを見てみると、北米人の美少女キャラに関する勉強は
もう峠を超えた可能性があります。
実際に、一部の北米オタクの美少女ゲームへの理解は驚かされることもしばしば。
DEAD SPACE WAIFUなんかは往年の同人脱衣シュー「センチメンタルシューティング」のパロディとなっており、日本のオタクでもわからない人が多いでしょう。
ちなみに、WAIFUとは日本でいう二次嫁のことです。

DEAD SPACE WAIFU:ストリップアクションの字面が熱い。もちろん買いました


センチメンタルシューティング:流石にプレイしたことはない


このような作品が出てくるあたり、アチラでの文化としての習熟を感じさせます。
そして、実際に向こう独自の流れも生まれているのが現状です。
たとえば、Steamで人気の美少女ゲームと言えば「ネコぱら」が筆頭にあがり
Kick StarterでOVA化まで実現してしまいました。

ネコぱら


しかしだ、ここまでやられてしまうと、日本のオタクとしては少し複雑です。
模倣される、評価してもらえることは、確かに誇らしい。
でも、この膨大な国外製How Toとその精度の高さを見ていると
誇りが翻って疑問へと変わってきます。

@whoisshewhによる彩色過程の説明


軽く真似られすぎじゃね?

文化には土着性があり、外の人間にはわからない宝があるはずです。
これは美少女キャラといえど例外じゃなく、
もしも僕らの側に「オリジナリティ」が無いなら
それは単なるフォーマットです。

そう、僕は、美少女キャラが広がっているというより
美少女キャラのフォーマット化が進んでいると考えています。
美少女キャラがフラット化する世界も目前ですね。
機械が月宮あゆ的な何かを大量生産、人間様から金を巻き上げるようになるのか?
いや、ソシャゲという界隈では、すでに始まっているのか?

月宮あゆ的な何か


もしも美少女キャラのゴールがそうなら、流石の麻枝准もキレるかもしれません。
絵柄や属性の話を始める前に、僕らは何か大切なことを忘れていないだろうか?

ボクの彼女はガテン系が評判になったのは、そこのところが強烈だったからだ。
ミサキというキャラクターは、絵柄や属性で縛られていた美少女ゲームの想像力を
久しぶりに僕らに思い出させた。


インパクトの強いタイトルとは裏腹に
プロローグのミサキは初心で、かわいらしい彼女だ。
それが、文字通り扉を開くごとに、エロティックに加速していく。最終的な結果は無茶苦茶だ。
君は男を殺すかもしれない。ミサキは蒸発して、二度と帰らないかもしれない。
社長夫人かもしれないし、ただの娼婦かもしれない。
髪形を変えるだけじゃない。次から次に、ミサキは色々な顔を見せるようになる。

たとえばだ。町からいなくなってしまったミサキを
五年も過ぎた後に「俺」は偶然に見つける。


ゲームはミサキの顔を見せない。「俺」も話しかけたりはしない。
店に寄るのも止めにして「俺」は立ち去ってしまう。
ミサキというキャラクターを理解したくて
僕の心は目一杯にぐるぐるとした。

僕らのミサキは、描線の先にはいない。この情動の中にいる。
美少女ゲームの「オリジナリティ」の中に。


Bito